本屋に飾ってあったこの本の表紙が可愛くて手に取ってみました。書き物をしている人の励みになるような作家としての割り切りや、考え方などが丁寧にかかれていておもしろいです。 また、売れっ子作家は苦労せずにお金が入り羨ましい職業と思われがちだけど、そうではないんだなと思わせてくれる内容となっています。 著者:群ようこ 大学卒業後、4回目の転職で雑誌社に入り(1978年)、デビュー作「午前零時の玄米パン」が評判となる。作家としてやっていくつもりはなかったと本人は書いているが、執筆依頼が増えていき専業になる。 強烈な初めてのエッセイ 「群ようこ」という名前はよく目にしたことがあるなと思いつつも、多分一度もこの本意外を読んだことはありませんでした。書くことに興味があったので、パラパラめくって読んでいくうちに、この著者の買いている時の姿勢がよく伝わり、面白く一気に読み終わってしまいました。 中でも印象的なのが、目次の1番初めにある強烈なタイトル「びじょの血しぼり」。これは、著者が自発的にまとまった文章を書いたはじめてのものだそうだ。しかも、4歳か5歳という。そんな幼い頃からこんなインパクトのあるタイトルを思いつくなんてびっくりです。 血以外が平仮名というところが、またそれっぽくていいんです。「ほんとかなー、ほんとにそんな小さな頃にこんなこと思いつくのかな」と思わずにいられなくて、何度も読み返しました。毎日、何冊も読んでいたということなので自然と頭に知識が入っていっていたのでしょう。さすが売れっ子作家になる人は、よくいう本をたくさん読んでいるのがわかります。 内容はマジックショーでみたものからヒントを得たらしいのですが、もったいないことに捨ててしまったそうです。今売っていたら読んでみたい人は大勢いるでしょうね。 面倒くさがりで書く仕事なんてできるのか? そんな斬新なタイトルをつける著者は、実は最初の頃はコツコツと原稿を書いても書いても終わらないので、そんな面倒な作業が自分にむいていないと感じていたそうです。 本を作るには、下書きを長めに書いて、それをどんどんシェイプアップしていく必要があり、そのせいでたくさん文字を書かなければならないのです。 出版局長さんに相談すると「書き続けていけば、何とかなるものですよ。心配する必要はないです」と言われるのですが、それでも何よりそこまで書く熱意がなかったそうです。それでも、周りでは何度応募しても作家になれない人が多い中、原稿の依頼がくるという現実にどうせ数年で飽きられるんだからと、深夜まで原稿を黙々と書き続けたそうです。 目の前のふってきた仕事をしっかりこなす姿勢が好ましいです。こういう人がチャンスをモノにする人なんですね。 全員が面白いというほうが変 有名になって売れていくと、「お前みたいな者がなぜ本を出せるのだ」のような怒りの手紙が何通もきたそうです。 本を読むという行為はあくまでも読者のものであって、書き手がどうこうできるものではありません。そういった内容を気にしないようにし、自分はあくまでも「すきま産業」として暮らしのこまごまとしたことを書き綴り、文学などの流麗な文章を書くでもなく、読者の限られた時間のなかで、「面白い」とかんじてもらえた瞬間があれば十分だったそうです。あくまでも謙虚で、かつ行動の人ですね。 同じように思ってみても、なかなかそれを実行して書き続けることは難しいことだと思います。 ただ暮らしているなかで、辛いこととかつまらないことがあって、気分がいまひとつの人が、私の本を手にとって、少しでも気持ちが明るくなってくれればいいと思っているだけなのだ。 こんな感じで書いてます こんな感じで書いてます 群ようこ これもオススメ: 早寝より夜更かし力をつける? 留学前の英語学習 カウンセリングを語る(上)