初めての万年筆を買ってみた

ガラスペンを使って、インクをつけつけ楽しめる余裕がある時はいいのですが、気分がのって書き始めるとインクが途中で切れてしまい、書きたいことが中断されてしまう悩みがでてきました。

それなら似た書き味の万年筆を買ったらどうかと、初めて購入してみたところ、すっかりそのバリエーションに圧倒されました。初めて買う前に知っておいたらよかったなということをまとめました。

万年筆メーカー

国産メーカーと外国産メーカーそれぞれ有名なものがあります。
初めての場合は、国産メーカーの方がおすすめです。複雑な日本語を書くために作られているので、外国産のよりもペン先の弾力性に優れていて、低価格でも書き味が良いものが多いです。

主なメーカーは次のようになります。

国産メーカー

セーラー万年筆 SAILOR

セーラー万年筆は、創業1911年2月11日(明治44年)のセーラー万年筆はSuicaのペンギンや などのコラボ商品もたくさんだしている老舗の万年筆メーカーです。G7広島サミットにおいてG7各国首脳並びに国際機関の長に「伝統漆芸 彩雅 万年筆」が贈呈されています。

1000円前後のお手頃な価格帯「ハイエースネオ」などや、四季織などのシリーズものがあったりと、たくさんの種類が出ています。

インクボトルも多種あり、人気のものが多いのでお勧めです。私がちゃんと使おうと、2番目に買ったのもセーラーです。

セーラー万年筆
セーラー万年筆

プラチナ万年筆 (Platinum Pen)


プラチナ万年筆は、1919年に初代社長 中田俊一が万年筆製造メーカーです。
優れた書き心地と洗練されたデザインが特徴で、多くのプロの書き手や万年筆愛好家に支持されています。特に、金属製ペン先を持つ製品が人気です。

1000円ほどで手に入る万年筆「プレジール」は、安価なのに安っぽくない見た目と書き味が人気です。

パイロット (Pilot)

パイロットは日本を代表する筆記具メーカーです。
「株式会社パイロットコーポレーション」は、創業以来、技術革新に力を入れており、滑らかな書き味や独自のインク供給システムを開発しています。多様な価格帯の製品を提供しており、学生からプロの書き手まで幅広いユーザーに人気です。

特に万年筆の導入部分として「カクノ」というシリーズが練習用に人気があります。

外国産メーカー

モンブラン (Montblanc)

モンブランはドイツ/スイスを代表する高級筆記具ブランドで、豪華なデザインと高品質な製品で有名です。1906年創業。「モンブランの万年筆」は高級な万年筆の代名詞なほどよく耳にします。プレゼントされたら嬉しいものランキングなどでもよく紹介されていたりします。

アルプスの最高峰「モンブラン」の頂きを覆う雪がいめーじされた白い星型のマーク(「ホワイトスター」)が有名です。
万年筆や腕時計などのモデルで、モンブラン山の標高4810mからきた「4810」が刻まれているシリーズは特に人気商品です。

創業はドイツのハンブルクにて「シンプロ・フィラーペン・カンパニー SIMPLO FILLER PEN Co.」として始まりましたが、のちにダンヒルに買収され、さらにダンヒルもリシュモングループに買収されたので、現在はスイスにある「リシュモン Compagnie Financière Richemont SA」の傘下となっています。リシュモンはカルティエなども含むジュエリー、時計、ファッションブランドを保有する企業として知られています。

パーカー (Parker)

パーカーはイギリスのブランドで、1888年の創業から130年もの長い歴史を持つ信頼性のある高級筆記具メーカーです。洗練されたデザインと優れた書き味が特徴で、ビジネス用途から日常使いまで幅広いユーザーに向けた製品があります。

ウォーターマン (Waterman)

ウォーターマンの万年筆は全てのペン先がフランス製です。1883年の誕生以来からフランスを代表する高級筆記具の世界的ブランドで、手書き文化の伝統を重んじています。優雅なデザインと滑らかな書き心地が特徴で、贈り物としても人気のあるブランドです。

ペン先

ペン先が精巧に造られているものと、細字用なのに文字が潰れて細くかけないものとあります。値段があがるほどペン先は繊細になっていますが、高いものになるとペン先の金属が24k(金)のものもあります。K14やK18などになると安くなるといった感じです。

蓋の違い

一般的な万年筆はねじ式になっていて、くるくるまわして開けるタイプです。
安価なものだと「嵌合式 かんごうしき(ぱかっとひっぱって開けるタイプ)」になっています。このタイプだとペン先についたインクが乾きやすく、使う頻度が高くない場合インクが固まってしまうようです。

値段の違い

もちろん有名ブランド物の方が高くなりますが、同じブランドの場合、ペン先が金を使っていたり、精巧になっていたり、見た目が豪華であるもの、限定ものなどが高くなりがちです。コラボのものなどびっくりするほど高額です。

そうはいっても、パッと見たところ、(同じブランドで)ほとんど色が違うだけにみえる万年筆なのに、5千円くらい違ったりすることもあります。

店員さんに聞いてみると、書き味は同じだけどシリーズが違うというだけでももともとの価格が違うので差がでてくるようです。色のバリエーションが違ったり、見た目の雰囲気が例えば、プラスティックの色合いや、真ん中の金具の色合いや模様が違うだけで高級感がでたりするので好みで決めていい部分もあるようです。

お試し書き

初めてとはいえ5000円前後のものを買おうと思っている場合は、文房具店(本屋やLOFTなどにも併設されています)などで、試し書きをすることをお勧めします。

書き味がよければ高くても欲しくなりますし、もし長く使い続けるのであればこのくらいの価格帯の方が細かな字が書けたり、キャップもねじ式になっていて長く愛用できると思います。

インクカートリッジとコンバータ

インクはカートリッジタイプと「コンバーター」というものにインクボトルから注入する方法があります。購入前にどちらができるのか、両方使えるのか確認しましょう。

インクカートリッジ

インクカートリッジは、使い捨てのインクで見た目はそっくりでも別のメーカーのものを使うことはできないとされていますので注意しましょう。微妙なところでつくりが違ったり、インクの質が違うそうで、インクの詰まりなどの原因になったり、最悪ハマらないこともあります。

コンバーター+インクボトル

「コンバーター」もインクカートリッジと同じように、万年筆と同じメーカーのコンバータを使います。
コンバーターをペン先に指して、くるくると突起を回して、インクをピストン注入する方法で、たくさん出ているインクボトルを利用できます。

写真でいうと、右端にある黒い棒をクルクルまわします。そうすると、赤丸のところを青矢印の部分が移動するようになります。いったん赤丸の部分を空洞にし、コンバータをはめ込んだペン先をインク瓶にさし、再度クルクル回すとインクが空洞部分を埋め尽くすようになります。

万年筆のコンバーター使い方
セーラー万年筆のコンバーター使い方:青矢印の部分が上下運動し、できた空間にインクが入る

インクボトル自体、置いているとインテリアにもなりそうな可愛さがあって、だんだんと色々欲しくなりますね。

インクの違い

  1. インクの色:インクには様々な色があります。一般的な色としては、青、黒、赤、緑、紫などがありますが、多くのメーカーでは多彩なカラーバリエーションを提供しています。これにより、個々の好みや文書の用途に合わせて選択できます。
  2. インクの種類:
    • 水性インク:一般的なタイプで、水をベースにしています。洗剤や水で簡単に洗い流せるのが特徴です。ただし、一部の水性インクは水に弱いため、水に濡れたり乾く前に文字に手が触れると文字がにじむことがあります。
    • 顔料インク:水性インクよりも防水性が高く、紙の上で鮮やかに発色します。水に強いため、書類の耐久性が求められる場合に適しています。
  3. インクの乾燥速度:水性インクは一般的に顔料インクよりも早く乾きます。
  4. インクの滑りや書き心地:インクの特性によって、ペン先と紙の間での滑りや書き味が異なります。滑らかな書き心地を求める方や、滲みにくいインクを希望する方は、それに適したインクを選ぶことが重要です。

初心者用のお手頃な価格帯で人気のもの

1番初めに買ってみた「パイロット(PILOT)」の「カクノ」というシリーズは、確かに練習用といった見た目だしキャップもねじ式ではないので、もし長く使いたいなと最初から考えている場合は、もう少ししっかり目の見た目の方が使っていて楽しいですよ。

お手頃な価格なのに割としっかり目のボディをした「プラチナ万年筆」の「プレジール」を買うのもいいかもしれません。

「プレジール」はキャップに秘密があり「嵌合式 かんごうしき(ぱかっとひっぱって開けるタイプ)」なのにインクが乾きにくい仕組みがしてあります。使わずにしまっていても1年はもつというものです。

しかもインクカートリッジだけじゃなく、「コンバーター(プラチナ万年筆用)」も利用できる(説明書Link)ので、インクを色々たくさん楽しみたい方にもお勧めです。

セーラー:1000円前後のお手頃な価格帯「ハイエースネオ
1000円ほどで手に入る万年筆プレジール
練習用に人気 「カクノ」
コンバーター(プラチナ万年筆用)