今では岡山県岡山市の名物菓子として知られているキビダンゴ。吉備の国ときびを結び付け、吉備団子。岡山空港(岡山桃太郎空港)に桃太郎をつけちゃうほど桃太郎の発祥の地としても岡山は有名です。そんな桃太郎伝説が元になった吉備団子。
岡山に行ったらぜひお試しください。
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おすすめは倉敷の「おざきや」

「おざきや」では、ちくわやかまぼこが手前で焼かれているので、そちらも人気のようで列を作っていました。どうやらメディアでも紹介されているようで、ちくわかまぼこがメインのお店のようです。私はきび団子と抹茶のセットをいただきましたが、とてもおいしかったです。
これぞ、きび団子という感じの茶色くって小さく、硬めの団子です。素朴な味が好きな人におすすめです。きな粉の下に薄く茶色の団子の色が見えるでしょうか。最近なかなかこの手のものに出会えません。お土産に買って帰らなかったのが残念でなりません。
四角いきびだんご
茶色いきびだんごというだけでも見かけなくなったのに、岡山では串にもささっていないきび団子も人気のようです。しかも丸ではなく四角いものがいくつかあります。
きび団子は串に刺さっていましたが、明治24年に山陽鉄道が岡山まで開通した時に、変化を遂げたそうです。乗客が多い岡山駅で販売するために、箱詰めする工夫がされました。団子が1個ずつ入るように串でなくなったのです。そして、それは四角かったと内田百閒の「夜明けの稲妻」に記載があります。内田百閒は、夏目漱石門下の日本の小説家です。
中納言の吉備團子屋は廣榮堂と云う。廣榮堂では昔、細い竹串にさした吉備團子を店で賣ってゐた。今の様に折に詰めたものばかりではなかった様である。折に詰めると云えば、折の中に團子と團子がくっつかない様に經木の中に團子が行儀よく列べてある。私がまだ上京して東京の學校へ這入らない前、岡山名物吉備團子を夏目漱石先生に贈ったところ、請けとったと云うお禮の手紙を戴き、その中に、團子は丸いとばかり思ってゐたが、吉備團子は四角いのだねとあった。經木の棧の格子の中で四角くなったのである
夜明けの稲妻ー岡山県出身の作家・内田百閒/ 廣榮堂のあゆみ